やけど治療体験談 #2

深かったやけど

ひどいやけどと言われました。

救急外来で受付をして、30分ほど待ったと思います。 その間に私が持っていた氷水の氷はすべてとけてしまいました。

診察室に入ると、そこには、若い先生と看護師さんが一人がいました。 その先生が、やけどの傷口を見て発した一言めは、

「これはひどいですよ、お母さん・・・」でした。 急に、その場の雰囲気が変わったことを肌で覚えています。

若い先生は、「○○先生、呼んで」と看護師さんに向かって言いました。 次に、私に向かって、「やけどが深いので、専門の先生を呼んでいます」と言い、 「やけどをしたのは、何時頃ですか」「何でやけどしましたか」と質問しました。

質問が終わると、形成外科の先生が来るまで、 待合室でお待ちくださいと言われました。

やけどの治療

やけどの治療は、消毒とガーゼのみでした。

再び、診察室に呼ばれ、中に入ると、 形成外科の先生は、さきほどの先生と同じく若い先生でした。

「ひどいですね・・・」
そう言って、最初にしたのは、写真をとることでした。 私は、やけど跡の経過を観察するためのものだと思っていました、この時は。

次に、さきほどの先生と同じように、「何でやけどをしたんですか?」 と質問し、私の話を聞きながら、やけどの傷口の消毒を始めました。

KOTOは泣いていました。 身体を押さえつけられ、懸命に暴れていました。 私も涙が止まりませんでした。

消毒が終わると、ガーゼをあて、包帯を巻きました。 治療はこれだけでした。

やけどの深さの判断

やけどの深さは、深2度~3度と判断されました。

やけどの深さの評価方法

形成外科の先生は、神妙な顔つきで、私に話し始めました。

「やけどの深さは、1度から3度に分けられています。 ただ、通常、1日~2日たたないと、判断ができません。

今の段階では、おそらく、赤い部分が2度の深いやけどで、 白いところが3度だと思いますが、明日になったら、 判断が変わっているかもしれないし、あさってになったら、 また変わっているかもしれない。

治療法については、明日の様子を見てからお話しましょう。 明日の予約をとっておきます」

私は、今後この判断が変わらない場合の治療法を尋ねました。

先生は、こう答えました。

「3度の部分は、植皮が必要かもしれません。 でも、今の段階では、判断ができないんですよ」

「もし、植皮が必要だとしたら、いつまでに手術するんですか?」

「一週間以内ですね」

「もし、植皮が必要だとしたら、いつまでに判断するんですか?」

「あさってです」

倒れそうになるのをなんとかこらえる状態でした。

植皮・・・

植皮・・・

植皮・・・

このまま、この状況に身を任せていたら、 本当に植皮されてしまうかもしれない。

もし、あさって、あの先生に、植皮が必要だと言われたとして、 KOTOのやけどに本当に植皮が必要なのかどうか、 どうやったらわかるの?

私は、やけどの深さのこと、治療法のこと、 やけど跡のこと、植皮以外に方法はないのか、 ひたすらインターネットで調べ続けました。

湿潤療法に出会った日

湿潤療法は、新しい創傷治療法です。

湿潤療法・・・、もし出会っていなかったなら、 KOTOのやけど跡は今と違っていたかもしれません。

従来の方法では、植皮と判断される場合も、 湿潤療法なら、植皮をしなくてもよい場合があること、 傷口が早く治ること、何より、やけど跡が残りにくいということを知ったのです。

最初は、半信半疑でした。

でも、私は、湿潤療法で治療した方々の体験談を読んで、 是非、この方法で治療したいと思い、新しい創傷治療のサイトで 紹介されている、 湿潤療法をしているB総合病院へKOTOを連れて行きました。

前の総合病院では、 深2度~3度という判断をされましたが、 時間が経過していたせいもあるのでしょう、 今回の病院での判断は、浅2度~深2度というものでした。

そして、「植皮なんて必要ないよ」と言ってもらえたのです。

治療方法は、やけどの傷口に軟膏を塗って、 ラップをはり、包帯を巻くだけでした。

その日から、夜はお風呂に入った後、 朝は、傷口だけ石鹸で洗い、シャワーで流してから、 軟膏を塗り、ラップを巻く湿潤療法を続けました。

そして、先生の最初の判断どおり、 深2度と言われた部分も、やけどを負った日から3週間で上皮化したのです。

やけど治療まとめ(KOTOの場合)

やけど治療体験談。やけど跡がだいぶ薄く、目立たなくなりました。

※水ぶくれができたところだけ、一時期、やけど跡がどす黒くなりましたが、 今は、だいぶ薄くなってきています。

  1. 湿潤療法で治療しました。
    湿潤療法とは。湿潤療法の手順、被覆材。病院。
    ビタミンCローションも同時に使用。
    湿潤療法とは湿潤療法の準備・手順被覆材(プラスモイスト)
  2. ビタミンCローションを、朝晩1回ずつ塗っています。
    少しでも火傷跡を薄くするために。湿潤療法中から使用していました。
    ビタミンCの効果とは。
  3. シリコンジェルシートを、盛り上がった部分につけていました。
    シリコンジェルシートで、皮膚の盛り上がりが平らになりました。シリコンジェルシートとは。KOTOが使用したシリコンジェルシート
  4. ヒルドイドソフトを、朝晩1回ずつと、日中に1~2回塗っていました。
    ヒルドイドソフトとは。

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