6:00
目覚まし時計(携帯電話が震える音)で目が覚めました。今朝はやけに喉が痛みます。 また乾燥しているのでしょうか。そうだ、今日の診察で、午後に退院できるか決まるんだった。 退院できるでしょうか。夕食は何を作ろうか。 その前に買い物に行かなくちゃ・・・とボーっとしながら考えていました。
6:15
起床。歯を磨いて念入りに喉をゆすぎます。 少しでもかさぶたが剥がれてくれればいいと思ってゆすいでいたのですが、なんだか痛みます。 左側のかさぶたが剥がれたのでしょうか・・・ううん、違う。残念なことに、痛いのは、右側の方です。 残念ながら、かさぶたらしきものは出てきませんでした。痛み止め薬を飲みます。
7:40
朝食(食事にかかった時間:20分) 我慢できるほどの痛みでした。痛いのは、もともと扁桃があったあたりの右側。 左は全く痛くありません。まだ、左側のかさぶたは剥がれていないのではないでしょうか。 今日退院できる望みは薄れました。
でも、今日、嬉しかったことは、少し固めのインゲンを噛む際に、 いつもより大きく口を動かせたことです。これは、大きな進歩だと思いました。 舌の痛みについてですが、痛み止め薬の飲み方のお陰なのか、 痛みが抑えられているように感じます。もうすぐ朝の診察です。
8:05
咳き込む。
8:10
処置室にて診察を受けます。医師は、私の口の中を覗きました。そして、 「左のかさぶたが、まだ剥がれていないからねぇ。退院、今日ねぇ・・・」と一瞬考えた後、 「退院は明日の方がいいと思うよ」と言いました。 がっかりした私が、「え~っ!!」と言うと「自分の為だからねぇ。明日には退院できるし」と言います。
つまり、明日には、間違いなく退院させてくれるんですね? 私はもう、こうなったら明日には、何が何でも退院しますよ!という気持ちで、 「明日には(間違いなく)剥がれているんでしょうか」と念を押して確認してみると、 「もう、左も剥がれ始めているからね」と医師は言いました。
医師だって、看護師さんだって、本当は患者さんをすぐに退院させてあげたいはずなのです。 私は、そう思いあきらめました。 いつも通り、歯磨きの後、 フロリードゲルを舌に塗りたくり飲み込みます。
歯磨きの後、部屋に戻ると、ペットボトルの水がなくなりかけていたので、 購買に買いに行くことにしました。これまで、必要なものはすべて、家族が持って来てくれていたので、 私は購買に行ったことがありませんでした。 初めて、他の階へと移動することになりました。エレベーターで1階まで降ります。 エレベーターから出て歩いてすぐの所に購買を見つけることができました。 小さなコンビニと言ったところです。
入院する前、いつも何気なくコンビニで目にしていたものを見ているだけなのに、 なんだか楽しい気持ちになってしまいました。あの部屋から、たった、 これだけの距離を移動しただけなのに、 “外の世界”を感じてしまいました。
早く、自由になりたい・・・そんなおおげさな気持ちまで芽生えました。 たまたま目に入った病院の出入り口を見つめました。あの自動扉を抜けてしまえば、 家に帰れるのになぁ。脱走したくなりました。外に出たって、誰も止める人なんていないだろう。 きっと、パジャマ姿の女にちょっと注目するくらいだ・・・なんて馬鹿なことを考えながら、 水を買い、おとなしく部屋に戻りました。
9:10
部屋に戻ると、少し疲れを感じてしまいました。 そんなにあのコンビニに長居したつもりはないのですが。 入院生活のせいで、多少、体力が落ちてしまったようです。 ああ、それにしても、明日は退院。早く帰りたい!
10:10
検温(36.7度)。・・・だいぶ体温が落ち着いてきたようです。
10:15
ネブライザー。吸入15分。
10:30
お風呂に入り、髪をドライヤーで乾かします。
11:25
痛み止め薬を飲みます。
12:00
昼食(食事にかかった時間:30分) 生トマトはしみそうだったので、先に痛い思いをしてから、 後のものをゆっくりおいしくいただこうと考え、一番最初にトマトを食べたのですが、大失敗でした。 しみすぎ!いたすぎ!しばらく、食欲を失います。食べなければよかったです。
でも、しみると、なぜか、ちょっと嬉しい。 ひょっとしたら、左側のかさぶたが剥けたのではないだろうかと淡い期待がこみあげてくるからです。 お茶をしばらく口の中に含み、痛みが治まるのを待ちました。
その後は、最初に考えた通り、おいしいものをゆっくり食べることができました。 痛みはほとんど感じませんでした。デザートを食べ尽くそう大作戦の第二弾、今回はプリンです。 痛みは全くなく、おいしく食べることができました。
気づくともう夕方でした。荷物の整理をしていると、 カーテンの隙間から母が顔を出したので驚きました。先日母が来てくれた火曜日の時点で、 もう退院が近いことはわかっていたし、そう何度も足を運ばせては悪いと思ったので、 その日に、だいぶ荷物を持ち帰ってもらっていました。 だから、「もう大丈夫だよ」と言っておいたのですが、今日も母は、 荷物を持ち帰るつもりで来てくれたのでした。大変有難かったです。
実は、整理をしながら、バッグには入りそうだけど、相当重そうだと、 心配していたところだったのです。もう使わないだろうと思われるものをすべてバッグに詰め込み、 母に預けます・・・が、しかし、 ここで、明日私が残りの荷物を持ち帰るための袋がないことに気づきます。
そういえば、今朝売店で、紙袋を見かけた・・・と思い出しました。 あの大きさなら調度よさそうだ、と頭の中で計算してみました。母を見送りがてら、売店に行きます。 それにしても、母に預けたこの荷物、やはり相当な量です。 そんなに無駄なものはなかったように思うのですが・・・。 もう着ないパジャマや、バスタオル、シャンプー類、本やテレビガイド、 まだ開けていないティッシュの箱が2つ、そして、 この入院生活で最もお世話になったパソコンなどが入っています。
私が、バッグの持ち手の片方に手を伸ばし、「私も持つよ」と言うと、 母は、「いいから、いいから」と言って、渡そうとはしませんでした。
「本当に悪いねぇ、お世話になりました・・・」。 売店がまだ開いているか、少し心配していたのですが、大丈夫でした。紙袋を購入します。 それを、確認すると、母は帰って行きました。
何から何まで、母にはお世話になりっ放しでした。 私の喉の痛みが完全に消えたら、何かおいしいものでも一緒に食べに行こう、 と考えながら部屋に戻りました。
荷物の整理をしている際、少し気になっていたのですが、やけに体が熱く感じます。 心配になってきたので、ナースステーションで体温計を借りました。結果は、36.9度。
大したことはなかったので、ほっとしたのですが、体温計を返す際、看護師さんに、 「やけに体が熱いのに、熱があまりないんですが、こういうことってあるんでしょうか」と聞くと、 「汗が出ているのかもしれない。汗が出ると、少し体温が下がるのよねぇ。 念の為、もう少し、体温計持っていたら?」と言われたので、そうすることにしました。 部屋に戻り、おでこに冷えピタを貼ります。
18:00
夕食。鶏ささみは固いのです。箸でいつものように、かなり細かくしてから、 おかゆの中に入れて食べることにしました。今日の痛みは我慢できます。
18:35
手術執刀医師が、部屋まで夕診に来てくれました。私のおでこを見て、 「熱があるの?」と尋ねてきました。「いえ、ちょっと微熱が」と答えると、 「そうですか。じゃあ、ちょっと、口の中見せて下さい」と言って、 私の喉を見た後、「左側のかさぶたも、だいぶ剥がれてきているし、明日退院でいいでしょう。 でも、高熱が出たらそういうわけにはいかないよ」と言います。 口には出しませんでしたが、そんなのは困る、と心の中で強く思いました。
医師は、診察の後、退院後の注意事項を簡単に説明してくれました。 揚げ物、衣がついているようなもの、それと、当たり前のことですが、 せんべいのような固いものは、食べてはいけないとのことでした。
それと、麺類をすする行為も禁止されました。要は、麺類を食べたい時は、 小さく切って食べなさいということです。うがいのブクブクはやさしくするようにとも言われました。 それと、出血が心配なので、お風呂はまだシャワーだけにするようにと。
18:40
楽しみにしていた、最後のチョコレートアイスを食べました。
19:20
ネブライザー。吸入15分。
19:40
歯磨き&フロリードゲル。
19:50
再び体温を計ってみると、体温計は、36.5度を示しました。 そう言えば、体のほてりもなくなっています。しばらくすると、 先程体温について説明してくれた看護師さんが部屋に来てくれました。
「様子はどうですか?」 「36.5度に下がりました。体温計、ありがとうございました。」 「そうですか、よかったですね。どうしてだったのかなぁ(先ほどの微熱は)」 「退院が決まって、ちょっと興奮しすぎちゃったのかも・・・」 。私たちは、顔を見合わせて笑いました。
20:00
今日は、眠剤を飲まずに、寝るつもりです。昼間、めずらしく2時間も昼寝をしてしまったので、 眠れるだろうか、と少し心配したものの、体もだいぶ疲れているような気がしていたし、 最後の夜だから、眠れなくてもいいや、とわけのわからないことを考えていました。
22:00
でも、眠気は、いっこうにやってきませんでした。 20時の時点では、21時には眠れるつもりでいたのに。眠剤をもらわなかったことを少し後悔しました。 でも、今更言うのもなぁ、という気持ち。
23:00
なかなかいいドラマを見て満足。でも、未だ、眠気はやって来ず。